遺言書作成

 死せる孔明、生ける仲達を走らす 三国時代の名軍師諸葛亮孔明が死後の戦略を遺言として授けたとされるものです もっとも兄弟仲良くなどと付言を遺すことは可能ですが、現代の法的拘束力を持つ遺言は不動産や預貯金など資産の分割に関するものになります (民法)

 法定相続人以外の者を指定する場合や、特定の相続人に法定相続分と異なる相続分を与えたい場合には遺言を作成することになります。

  15歳に達したものは作成することができ、そして遺言者が死亡した時からその効力を生じることになります(985条1項)

 遺言は亡くなってからの作成者の遺志を確認することができなくなるため法で定められた厳格な様式にしたがって作成する必要があります。

遺言の種類

 いくつかの種類がありますが主なものとしては下記に記載したものになります

自筆証書遺言

遺言の全文、作成した日付、氏名を遺言者が自署してから、署名の下に押印が必要です(968条1項) 日付は吉日などと記載すると無効になります。 財産目録については自署は要されませんがその目録の毎葉に署名し押印が必要になります。 また、記載事項の追加や修正などにも要式が定められておりますので、行政書士などの専門家に確認されることをお勧めします。

公正証書遺言

 公証人に関与してもらい信用性の高い遺言になります。下記の方式に従います

・証人2人以上の立会い 遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授

・ 公証人が遺言者の口述を筆記し、これを遺言者および証人に読み聞かせまたは閲覧させます

・遺言者および証人が筆記の正確なことを承認すれば各自これに署名し押印する。

・公証人が以上の要式である旨を付記して署名押印する

秘密証書遺言

 遺言者がその証書に署名し押印したうえ、その証書を封じ、証書に用いた印章をもって封印する。 これを公証人および2人以上の証人の前に提出し、自己の遺言書である旨ならびにその筆者の氏名及び住所を申述する 公証人が提出年月日と遺言者の申述を封書に記載し、遺言者、証人、公証人が各自署名押印する 。秘密証書遺言の要式に欠く場合、秘密証書遺言としては無効ですが、それが自筆証書遺言の要式を満たす場合、自筆証書遺言として有効になります。(971条)

遺言の執行 検認

 遺言書を執行するにはその遺言書の真偽などを調査し確認するため、検認とよばれる手続きが必要になります。 遺言書を保管している者は、相続の開始を知った後遅滞なく家庭裁判所に検認を請求しなければなりません。 法務局で保管されている自筆証書遺言や公正証書遺言については検認は不要です。 検認を受ける前に開封されると無効となりますので注意が必要です。

遺言執行者

 遺言者は遺言により遺言執行者を指定しまたは第三者に委託することができます(1006条1項)。 遺言執行者は遺言の内容を実現するため、相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有します(1012条)。 遺言執行者がいる場合、遺贈の履行は遺言執行者のみが行うことができ、その他の者は遺言の執行を妨げるべき行為をすることができません。

遺言の撤回

 遺言書はいつでも自由に撤回(将来にわたり無効とされる)することができ、公正証書遺言を自筆証書遺言で撤回することも可能です。前の遺言が後の遺言と抵触する場合はその抵触する部分につていは後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなされます。つまり、撤回された遺言はその撤回が撤回された場合でもその効力を回復しません。 前の遺言と遺言後の生前処分その他の法律行為が抵触する場合にはその抵触する部分につてい前の遺言を撤回したものとみなされます。

遺留分

 全財産を無制限に処分することはできず、遺産の一定割合については兄弟姉妹を除く一定の相続人のために確保されなければなりません。 直系尊属のみが相続人の場合3分の1、それ以外の場合2分の1として、各相続人の法定相続分に乗じて算出されます。

作成の流れ 

例) 遺言書作成を専門家に依頼する場合、先ず相談・面談を行い状況がヒアリングされます。

続いて、計画や作成に要する費用などの見積が提示されます。

内容を理解し、遺言書作成業務の委任を希望する場合、委任契約がかわされます。

相続関係説明図や財産調査などの基礎調査を経て、必要書類が準備されます。

公正証書遺言を作成する場合、公証役場へ予約、打ち合わせを行います。

印鑑は特に規定されてはいませんが、信用性を高めるため実印(印鑑登録証明書)をお勧めします。