一般的に不動産は人生でもっとも高価な買い物になるのではないでしょうか。そのため、購入者の利益を保護し、不動産の流通を円滑にするため宅地建物取引業を営む者について許可制度があります(宅地建物取引業法)
宅地建物取引士
(旧宅地建物取引主任者)
宅地建物取引士になるには年に1回行われる宅地建物取引士(宅建士)試験に合格する必要があります。試験に合格後、2年以上の実務経験、または登録実務講習を経て各都道府県で登録し、宅建士証の交付を受けることで、正式に宅建士としての資格を取得します。
手数料は、資格登録手数料37,000円、宅建士証交付申請手数料 4,500円、実務経験がない場合には登録実務講習 約20,000円です。
宅建士となることで重要事項説明書と契約書の取り扱い(説明と交付、記名押印)ができるようになります。
開業の流れ
①免許取得
宅建業を営むには都道府県知事免許、あるいは複数都道府県に支店営業所を持つ場合は国土交通大臣免許が必要です
②事務所設置 法人の場合、商業登記、個人の場合、事務所設置が必要です。
③専任の取引士の設置(宅建業法施行令第6条の3)
宅地建物取引士が各事務所に最低1名、業務従事者5名につき1名以上設置される必要があります。
申請書類の準備
申請書は県庁、宅地建物取引業協会で販売しており、HPでもダウンロードできます。添付資料として、全役員、専任取引主任者の身分証明書、登記されていないことの証明書、専任の取引主任者設置証明書、代表者の住民票または法人登記事項証明書が必要です。手数料は知事免許33,000円、大臣免許90,000円です。
申請・審査
窓口:当道府県担当部署
④欠格事由に該当しないこと
宅建業法第5条 破産、取消・禁錮から5年、など
約1か月ほどで、免許が交付されます。
⑤営業保証金の供託
本店1,000万円、支店ごと500万円 取扱う物件の価格が大きいので高額な供託となっているようです。より少ない資金での制度もあり、宅地建物取引業保証協会を利用する場合は、納付金 本店60万円、支店ごと30万円の弁済業務保証金分担金になります。
提出資料
下記の資料を準備する必要があります。
・免許申請書
第1面 申請時免許番号 新規の場合は空欄、商号名称・資本金欄
→法人の場合は法人登記事項説明書の通りに記載、兼業・所属団体コード→ない場合は50
第2面 法人申請のみ。役名コード 代表取締役01、取締役02、監査役03
第3面 事務所の名称 本店、〇〇支店など
第4面 不要な時は「該当なし」
第5面 証紙等貼付欄、消印はしないこと
・添付書類(1) 宅地建物取引業経歴書 沿革:新規と記載(合併や会社分割ではない)、実績:新規の場合何も記載しない
・添付書類(2) 誓約書 申請者未成年の場合、法定代理人が署名押印
・添付書類(3) 専任の取引主任者設置証明書 会社実印 第1面と同じ印
・添付書類(4) 相談役及び顧問等について記載する名簿(法人申請の場合のみ)
・添付書類(5) 事務所を使用する権限に関する書面
・添付書類(6) 略歴書
・添付書類(7) 資産に関する調書(個人申請の場合にのみ提出)
・添付書類(8) 宅地建物取引業に従事する者の名簿
・専任の取引士の顔写真貼付用紙
・身分証明書
・登録されていないことの証明書
・代表者の住民票(個人申請の場合のみ提出)
・法人登記事項証明書(法人申請の場合のみ)
・貸借対照表及び損益計算書(法人申請の場合のみ) 決算書の写し。存続法人の場合、申請直前1年分。新設法人の場合、「開始貸借対照表」
・納税証明書(新設法人の新規免許申請の場合は不要)
・最寄り駅より事務所までの案内図
・事務所の写真と平面図・間取図
必要となる書類が多く申請が困難になることがあります。本業に専念するため、業務を取り扱われている行政書士に依頼してみてはいかがでしょうか。